「受験、最後は自分を信じて」 女優・高畑充希さん
(初出・2014年12月24日朝日新聞デジタル。内容は掲載時点のものです)
勉強は嫌いでした。一つのことをコツコツやるのが苦手だったんです。本を読むことが好きだったので、現代文は得意だったのですが、古典や英語は全然ダメでした。中学・高校は1人でいることが多かったですね。暗かったというわけじゃないですけど、1人で本を読んでいる時間が好きでした。
中学受験が一番大変だったと思います。人生で一番勉強した時期でした。小学校のときから舞台女優になるのが夢だったので、そのために早稲田大学の演劇研究会に入ろうと思っていました。それで、進学塾に通って、大阪府内の中高一貫の女子校に進学しました。
地元では有名な進学校でした。ちょうど入学後に舞台のお仕事を始めたので、入ったのはいいけど、勉強についていけなくなっちゃって。自分にとって勉強は、舞台女優になるために選択肢のひとつだったし、どんどん舞台のお仕事に魅せられていって。勉強がついていけなくなるのは当然でした。
大学での出会い楽しんで
いまは休学していますが都内の私立大学に通っています。13歳から舞台の仕事をしているので、他の職業に進む人と出会う機会が少なかったんです。違う道に進む人とたくさん出会いたい! というのが進学した理由です。試験は小論文と面接でした。小論文は手が痛くなるくらい書いて対策を練りました。
大学では写真サークルに入りました。カメラをもって合宿に行ったり、お花見しながら飲み会をやったり、キャンプしたり、野球部の応援に行ったり。大学生らしいことは一通りやりました。いまも大学で出会った大切な友人がいるので、進学してよかったと思っています。
振り返ると受験は通過点だと思います。ただ、やっているときはゴールのように思ってしまいます。やりたいこと、興味があること、たくさん犠牲にしなければいけません。でも、やってみてわかることもあります。やらずに後悔するのはもったいないです。
オーディションには何度も何度も落ちました。落ちるたびに何がダメだったか反省しますが、やっぱり素の自分じゃないというか、良く見せようとして繕うとダメですね。最後は自分を信じるしかないです。後で思い返して「そんなこともあったな」と笑える日は必ず来ると思います。
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たかはた・みつき 大阪府出身。2007年から6年間、舞台「ピーターパン」の主役を務める。14年、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」や大河ドラマ「軍師官兵衛」に出演し、幅広い世代で人気に。現在公開中の映画「バンクーバーの朝日」「アオハライド」にも出演。23歳(聞き手・佐々木洋輔)
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