夏目漱石「三四郎」(第四十二回)四の十四

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 三人は約三十分ばかり根気(こんき)に働いた。しまいにはさすがの与次郎もあまり焦(せ)っ付(つ)かなくなった。見ると書棚の方を向いて胡坐(あぐら)をかいて黙っている。美禰子は三四郎の肩をちょっと突っ付いた。三四郎は笑いながら、

 「おいどうした」と聞く。

 「うん。先生もまあ、こんな…

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