風を切って、金メダルへ パラリンピック森井大輝の挑戦

白井伸洋
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 大きくひとつ深呼吸をしてパラリンピック日本代表の森井大輝(33)はチェアスキーで雪原の斜面に飛び出していく。ターンのたびに雪のしぶきがあがり、大きな背中があっという間に小さくなっていった。「車イスだとなかなか『を切る』ことはできないから、そこがだいご味かな」

 アルペンスキーをしていた高校2年生のとき、バイク事故で脊髄(せきずい)に損傷を負い、医師から「今の医療では治せない」と告げられた。「1千メートルの深海に突き落とされたような気分」だった。

 立ち直るきっかけをくれたのは1998年の長野パラリンピック。テレビの向こうで、同じ障害を持った選手たちの満面の笑みが輝いていた。「僕もああいう風に笑いたい」

 以後、世界大会で優勝するまでになったが、4度目の出場となるパラリンピックでは金メダルと縁がない。初めて表彰台に上がったトリノから8年、目標であり夢の金メダルのことだけを考えてきた。

 7日、ソチ冬季パラリンピックが開幕する。主将としてものぞむ今回、悲願の金メダルへの挑戦が始まる。(白井伸洋)

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