山田洋次監督「小さいおうち」公式上映 ベルリン映画祭

ベルリン=織井優佳
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 第64回ベルリン国際映画祭で14日夜(日本時間15日未明)、最高賞の金熊賞を競うコンペティション部門に参加している山田洋次監督の「小さいおうち」が公式上映された。上映終了後、山田監督と出演した黒木華があいさつし、観客から温かい拍手が送られた。

 上映が終わった時は、日付が変わっていた。山田監督は「ありがとう。こんなに遅くまで見ていただいて。最後まで僕もみなさんと一緒に見られて良かった。去年のベルリンで『東京家族』が上映された時は出席できず、この次は『小さいおうち』がベルリンで上映され、ぜひ僕も行けるように、というメッセージを届けました。その願いがかなっただけで十分です」などとあいさつした。

 「小さいおうち」は直木賞を受けた中島京子の同名小説を原作に、昭和初期の東京郊外の家で起きたひそやかな恋愛事件を描く。公式上映に先立って行われた記者会見で、山田監督は「日本が戦争していた時代の市民生活や、人々がどう戦争に進んでいったのかを知る人が少なくなってきた。今の観客にそれをどうしても伝えたくて、この映画を作りました」と語った。

 山形から上京した奉公人のタキを演じた黒木は「昔の日本女性は優雅で美しい。着物のえりを直すしぐさなど、監督に細かく教わり、演じました」と話した。(ベルリン=織井優佳)

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